寿限無

やぶらこうじのぶらこうじ

FINCAでパイルアップしてもらいました

FINCA新宿店で推し香水を作りました。店頭で説明された注意事項に従い、今回も特定のキャラクター名を出さずに匂わせますのでお察しください。(店員さんに「SNS投稿では、彼の名前を出さず匂わせるくらいでお願いします」って言われて笑ってしまった。匂わせるくらいね!フレグランスだけにね!)

前回のscentlyさんでは「多様なコンテンツから形成された彼」をイメージした結果、ラストシーンを連想させる儚げな香りに。今回は「相手をなんとか手中におさめようとする贔屓の彼」の香りに出会うためにお世話になりました。大事なことなので2回言います、「贔屓の彼」です。

オンライン予約し、インタビューシート持参で入店。感染対策でカウンセリングに30分の時間制限があるため立ったまま始まります。

FINCAさんは自社販売の香水をパイルアップ(重ね付け)する方法で香りを作っていきます。表現したい香りについては「俺のものになれー!と主導権を握りつつも、その後ろに、頑張っている不器用さだったり、臆病な姿がチラチラしてほしいです。」とリクエストしました。ふむふむとインタビューシートを読みながらアキネイターと化すお姉さん。関係ないけどこの記事を書きながらアキネイターをやってみたら、決定打となる質問が「人を殺した?」で声を出して笑った。

「彼は仮面をつけているんですね。お姉さんは彼の顔を見たことがある?」「はい、見てます」「顔はかわいい、かっこいい、クールでいうとどれですか?」「えっ……容姿的なことですよね……醜いです…」「醜い!?!」「この顔のせいで人生なにもかもうまくいかない!と思ってます」この時点でインタビューシートに追記される「闇」の一文字。はやい。

「彼が歌うのは、自分で作った歌ですか?」「(おそらく)そうです」「ライブとかコンサートします?」「しないです!もうほんとに、彼女を自分の虜にするためだけに歌うので、大衆に向けては歌ったりはしないです」「けっこう依存や執着しそうですね」「します!かなりの!!」「彼女への愛は、純粋で明るいものですか?どろどろしてる?」「暗いです。恋愛の愛ではなくて、母親からの愛情を求めてます。暗いけど純粋な気持ちだとは思います!相手を大切にしたいという気持ちはあります!」喋れば喋るほどろくでもない男を必死にフォローしてるようでジワジワきて、そういう意味でかなり楽しかったです。

「彼は喋りますか?」「喋りますが、対面での会話はあまりしないです。手紙で自分の存在を示したりってかんじです。人間関係が得意じゃないです」

あとは地底湖に住んでいることで店員さんを若干困惑させたりしました。一通り質問が終わったら、「ミステリアスで闇がある」「不器用」「(歌声や純粋な気持ちの)きれいさ」を異なるアプローチで表現した3種類の香りの提案。しかし、まったくしっくりこない。ちょっと不安になりはじめる。そこから「この香りでは無いです」「これよりはこっちのほうが近いかもしれないです」と選択肢を消していったり「もうすこし慎重で不器用な要素を入れたいです」などオーダーして、ブラッシュアップしてもらいます。彼のことは私しかわからないので、とにかく好きな(感じたい)要素を伝えよう!!と積極的に言葉にした結果、日常生活の3ヶ月分くらい「不器用」って言いました、たぶん。不器用に頑張ってる姿が好きだなって、実感したところだったので…。

取捨選択をするうちに、一番最初にしっくりきた要素はオヴェルタでした。店員さんが「19世紀フランスの要素を入れてみました」と選んだ香りです。アンティーク調のラウンジで葉巻を咥えながらウイスキーを傾ける男性を連想する香り。フレッシュな若さではない深みのあるメンズ、わかる。あと多分ベースにオークモスがあるからちょっとジメッとするやつ…蝋燭の火がある地下…。

そこから、オヴェルタを主軸にした組み合わせの吟味が始まります。「それっぽい」にあたると表情筋が動く。しかしレポでよく見る「いる!!!」には辿り着けず…ハッキリ目の前に出てきてくれない限りは、自分で決めなきゃいけないわけです。かなり悩みまして、もう、ほんとに悩みまして。悩みすぎてわけがわからなくなりまして。時間制限がなかったら数時間は決められなかったかもしれません。「こっちはすこしクセがある香りの不器用な彼で、こっちはきれいさが強い彼です。今日はどっちの彼を連れて帰りたいかですね。」「一度外に出て、彼の画像を見ながら嗅いでみてください。」とすすめられ、何度目かの店外で「彼」の歌声を思い出しながら公式画像を見つめてムエットを嗅ぐの、とにかく背徳感と罪悪感がすごかった。こんな気持ちで画像を見つめたのは初めてだよ。

そんなこんなで、なんとか決めた最終決定がこちら!

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オヴェルタヌーンムーン

最後までリトルウイングと迷いました。リトルウイングは澄んだ透明感のあるせっけんのような香りで、きれいな高音や愛を求める純粋さが感じられて。ヌーンムーンは瓜のような?クセがある軽い香り。なによりミドルノートに入ってるんですよね、ミュゲが…scentlyさんの解釈で殴られた聖母マリアの花…。きれいな透明感も捨てがたいけど!!「彼」なら選ぶべきはクセだろう、どっちかといえば!!!ミュゲだし!!!ということでヌーンムーンになりました。店頭では時間的にトップノートしか嗅げないからミュゲを感じられるかわからないのにね。花言葉大好きオタクは彼っぽい花を知っておくと思わぬ決め手になるかもしれません。(苦渋の決断だったためリトルウイングの組み合わせでもムエットをもらって帰りました。捨てがたいと思ったらオンラインで購入できるのも助かる。)

ピンときたわけじゃないけど、肌にのせたら香りも変わるだろうしな…と期待しながら、その晩に腕でパイルアップ。トップノートは店頭そのまま。そして1〜2時間後、香りが変わったので腕を嗅いでみたら。

…えっ!?!あっ!!!?わかる、かもしれない!!?!メンズ感の上に、トップノートにはなかった少しの重みがありながら胸焼けせず心地よく嗅いでいられるバニラビーンズの甘さが…わ、わかる〜!!!!贔屓の彼があの場面で見せる優しさの甘み〜!!これがもっとダイレクトな色気に寄ってたら獲物を待ってる彼なんですけど!そうじゃないからこそあの場面の彼なの、わかる。クセのあとに甘さがくるのも。それに自分用の香水では絶対に選ばない香りだからさらにドキドキする…というか、この香りが30分も贔屓の彼のことだけを考えて選んだ香水という事実だけでもやばくない…???ウワーッッ その晩は香りを拭わずに寝たんですけど、夜中に目が覚めるたびにぼんやりした思考回路に甘さが流れてきて、やけに恥ずかしくなりました。いつもそばにいてくれるじゃん…。

そしてパイルアップのすごいところ。逆の順番(ヌーンムーン→オヴェルタ)でつけると、オヴェルタのトップノート(シナモンやクローブ)のスパイシーさで引きしまる&甘さ控えめになります。かっこよさが強くなって、なんというか、これはこれですっごく「彼」なんですよ…!!!なんならこっちのほうがピンとくるぐらいの……贔屓の彼ではないけど、手紙をよこす時の堂々とした口調の彼……バニラの香りも優しさではなく甘言で手まねきをするように感じられて………三点リーダしか打てない………………香水ってすご………。

というわけで、FINCAさんのパイルアップは、推し香水を探す楽しみだけでなく、香水そのものをさらに楽しめるようになる体験でした!気分転換したいときは手持ち香水でもしてみたいね

 

余談。香水瓶はキャップではなくストッパー型です。リングがついているのでキーチェーンがつけられます。彼の公式グッズがちょうどぴったりサイズなので飾るのに便利です。

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scentlyの香水が届きました

前回の記事に書いた香水が届きました。注文から約1か月で到着しました。ポスト投函なので急な残業が入っても再配達の罪悪感を抱かずにすむのが嬉しい。

トップノートのマンゴーの甘さがピンとこなかったので「推しがそこにいる!!」とはなりませんでしたが!ミドルノートのロータスとミュゲの香りが品のいいやわらかい甘さで、あ〜はいはい概念のかおり…その解釈わかる…地下に残された真っ白なベールを抱きしめるきれいな姿のかおり…絵画のような…女性を感じる甘さなので、母性的な愛に包まれている様子とも言えるかもしれない…花言葉は離れゆく愛だからまさに地下なんですけど…。さらには仮面にスポットライトがあたるシーンのゆったりしたバイオリンの音色を感じます。主張の強いはっきりとしたトップノートがきれいに消えてやわらかい音色になるの、作品そのものじゃん…。マンゴーも違うけど自分じゃ完熟した果実で彼を表現しようと思わないから新鮮でたのしい…。

解釈ドンピシャの香水を目指すなら対面式の業者がいいと思います。が、scentlyさんはじっくりオーダーシートを書く時間の楽しさと権利関係がクリアな安心感がとてもいいです。対面式も楽しいだろうけど、完成された香りのイメージがないとなかなか勇気でないし。自分の解釈がどんな香りになるのか楽しみたくて気になっているオタクにはオススメです。香水がよくわからん!という人は、オーダーシートに日常遣いメインで香水よくわかりませんって書けば香りの重さも考慮してくれるんじゃないかな知らんけど。

 

せっかくなので、開封時に録音していたひとりごと(一人で受け止める自信がなくて録音した)の書き起こしを残しておこうと思います。楽しんでいる様子をお楽しみください。

 

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開けていきますよ。先にね、解説シートを見ないで、香りを嗅いでいきたいと思います。見た目は結構黄色っぽいですね。…ふふっ、待って、まだプッシュしてないんですけど、あの、プッシュするところの匂いを嗅いだらなんか爽やかなレモンの香りがする!なんだろう。どうしよう、ティッシュティッシュにかけていこう…ティッシュでいいの!?こういうのって…まあいいか。いきます!

あ〜〜!はい。あっ、これはね、柑橘系の…グレープフルーツですね。グレープフルーツの香りがする。結構ほんとに、なんだろう?グレープフルーツの苦味もあるし爽やかさもあるし……あのぉ……そうですねぇ!ちょっと、感動すると言葉を失うんだなあっていう実感をしてます。多分このグレープフルーツの苦味っていうのが、第一印象の、堂々としているとか、何でも思い通りにしようとするみたいな、そういうアク強めの性格を表してるんじゃないかなって感じはしますね。皮の苦味。ふふ、でもすごい使いやすい感じですね。多分、日頃使っている香水の欄にレモン系の香水を書いたのを反映していただいているという感じがします。いいですね好きですね。

そして〜?この香りが消えていくとどうなるんだ。ちょっと自分の体にもつけてみます。……うん。うん。やっぱり最初のトップノートは非常に、グレープフルーツジュース100%みたいな香りですね。

ミドルノートに変わるまで、解説ノートを今から読んでいきたいと思いまーす。このねぇ、イメージカラーに黒とバラの赤色と石膏の白を書いたんですけれども、「それ」ですね!けっこう黒から赤のグラデーションってほかのキャラクターでもあると思うんですけど、最後の白の感じがめちゃくちゃ好き。このカラーリングもけっこう大変だろうなと思うんですけど。

開けます!「オーダーシートにご記載いただいた、ずっと聞いていたくなるような歌声で相手を意のままにしている、歌っている時の姿がとてもセクシーという回答内容から、彼の魅力的な歌声と優艶な様子が感じられました。そんな彼には」、ふふふ、優艶って。美しいって言われてる〜!「甘いささやきという花言葉をもつマンゴーの」!?「ジューシーで完熟した甘い香りがお似合いではと考えました」。マンゴーですかぁ!?これぇ!グレープフルーツじゃないんだぁ!へぇー…!セクシーな歌声を熟れた果実で表現されるの、やらしくていいですね。はははっ。

「また、自分は誰にも愛されるはずがないという悲観の諦めと、なぜ自分がこんな運命なのかという怒りが内在しているというご回答を拝読した際に、母親から愛されなかった故の生い立ちや怒りが、彼の原動力なっているのではないかと解釈いたしました」。あー!!!(納得)はいっ!!ありがとうございます!!!解釈の解釈に栄養がある!「ミドルノートで感じられるロータス(蓮)は、まったりとした印象のある甘い香りで、花言葉は離れゆく愛です。母親の愛に触れることなく」、うううっ…、「育った彼の複雑な内面は、そんなロータスの香りに通じるものがあるのではないでしょうか。この香りを通して、彼の妖しい魅力や」、妖しい魅力ー!!(歓喜)「様々な思いを感じていただければ幸いです」!!

……ありがとう!!!ありがとうございました!!!ううぅぅ…これはもう一回リピートしますねぇ〜…うわぁ〜いいですねぇ。もう完全に、離れゆく愛って、ラストシーンじゃないですか…ボートが見えるよ…。

トップノートが、マンゴー、オレンジ、ぺあーってなんだ?ぺあー?後で調べよう(※西洋梨)などなど。絶対このetcにグレープフルーツがはいってる。ミドルノートが、ロータス、ミュゲ!……ミュゲ!?!!ミュゲってマリア様の!?ええーっ!すご…概念の香りとして聖母の花を選ばれる男…うわー…。あとアイリス。うわー字面の品がよすぎる。

ラストノートはシダーウッド、シナモン。んーーーーシナモン…思ってたのと全然違うのがきたなぁ。ちょっとまだここからシダーウッドに変化してどうなるのな想像できないですね。シナモンだからけっこう引き締まるのかな。いまのところすごい品のいい甘い香りしてますけど(笑)すごい、幼さを包む香りというか、これは地下だな…なにもなくなった姿に出てくる香りだ……。

そうですかぁ。そうですかそうですか。…ありがとうございます(感謝)

推し香水を注文しました

scently(https://scently.jp/)で推し(の概念)香水を注文しました。推し香水を謳う業者がいくつかある中で、容量が10mlで丁度いいこと、香りの解説書がついてくること、オタクを理解しているシステムと権利関係のガイドラインがしっかりしているところが安心かつ素敵だなと思い、scentlyさんにお願いしました。オーダーシートから推しの解釈を読み取り、自社香水から最適な香りを、解説シートとともに届けてくれます。

香水自体はまだ届いていませんが、オーダーシートの作成がすっっごく楽しかったので記事に残します。利用規約に従って特定のキャラクター名を伏せています。お察しください。

 

【イメージカラー】黒、赤い薔薇色、石膏の白

【セクシー度】4(かなり感じられる)

【性別と年齢】男性、30〜40代、誕生月不明

【一番似合う飲み物】ワイン

【重視するのは】キャラクターの再現度よりも普段遣いできるもの

イメージカラーは解説シートの縁などを彩ってくれます。薔薇が出てくるシーンってほとんどないのに仮面に添えられがちなのなんでだろうね!セクシー度は海外版も日本上演も例のナンバーの色気は並ではないということで4に。飲み物は血のワイン樽や地下の爆薬のイメージでワインにしました。香り=姿がないのにそばに感じられることが彼にぴったりだなと思い注文に至ったので、普段遣い重視にしました。概念の再現度が高くてもドキツイ香りがきたら楽しめなくて悲しいし…グッズにも実用性を求めるタイプのオタクです。

ちなみに性別欄にナチュナルに「人外」という選択肢があったのでオタク丸出しにしていいんだなって安心できました。カップリングも頼めるので異種カップルもいけるということですね。最高。

【世界観やキャラクター、人物の背景】

舞台は1880年代のフランス・パリのオペラ座。彼は、生まれたときから骸骨のような醜い顔を理由に母親にさえ愛されなかった。常に白い仮面で顔を隠している。華やかな舞台とは対象的な、侵入者を拒む罠が仕掛けられた地下通路の先に住んでおり、作曲に没入している。

人に姿を見せることはない。オペラ座の支配人や踊り子に恐がられている。

彼は10代のソプラノ歌手に歌を教え、「お前だけがわたしの音楽を完成させることができる」と自分のために歌うことを要求する。彼女が成功をおさめた日には、楽屋に一本の赤いバラを贈る(この花言葉が的確)。

彼女が亡き父がおくってくれた「音楽の天使」だと喜ぶほど、魅力的な声をしている(その歌声に催眠術をかけられたようにうっとりと深く陶酔するほど)。仮面を剥がれて素顔を見られた時には、ひどく取り乱し激昂する。

彼はこのソプラノ歌手を手中に収めようと画策するが、彼女の幼なじみである子爵(美青年の貴族)が現れたことで計画が狂ってしまう。子爵には「悪魔」と呼ばれている。

彼女の心を引き留めるため、音楽の天使あるいは亡き父として彼女に語りかけるが、いずれも子爵によって阻止される。強い嫉妬心と復讐心を抱いた彼の行動は、人の命を省みないほどに過激さを増し、ソプラノ歌手も彼を恐れるようになる。

物語の終盤、彼はソプラノ歌手によって大衆の面前で仮面を剥がれる。追い詰められた彼は、彼女を強引に地下に連れ去り、「わたしがこうなったのはすべてこの顔のせいだ」「私と結婚して子爵の命を救うか、子爵を選んでここで死ぬか選べ!」と迫る。ソプラノ歌手は音楽の師と崇めた彼の哀れな姿に涙し、彼にキスし、抱擁する。

幼少期から求めていたもの=母性的な無条件の愛を与えられた彼は抱きしめ返すこともできず子供のように泣いてしまう(その涙がとてもきれい)。すっかり覇気を失い、彼女を地下から解放する。助けに来た子爵と手を取り地下を後にする彼女の後ろ姿を最後まで見送ったあと、彼は一人で地下の闇の中に消えていく。

ストーリーの説明よりもっと自己解釈マシマシにしたほうがいいんじゃと自分でも思いましたが…ストーリー自体が好きだし…ストーリーはつまり彼なので…。ペルシア人の友人の話をいれるか悩みながら、概念として感じたいのは彼の歌声だなと思い、ミュージカルをベースに削ぎ落としました。シャンデリアとか出来事の詳細も削ぎました。他のキャラクターの説明は割愛したけど、ソプラノ歌手のBGSはもうすこし書けばよかったなぁ。お互いに親を求めて同調している、愛か恋か依存かわからないところに艶を感じている想いを載せられなかった…。

【第一印象の性格と内面に秘めた性格】

第一印象としてまわりが受ける性格

・堂々としていて自信家、怖いものなし。プライドが高く、完璧主義で口うるさい。すべてを自分の思い通りにしようとする。相手を従わせる力がある。

・ずっと聞いていたくなるような甘く美しい歌声で相手(ソプラノ歌手)を意のままにしている。歌っている姿がとてもセクシー。

内面に秘めた性格

・歌声で相手を引き込む時はかなり必死に頑張っている。

・彼のインナーチャイルドは、母親にさえ愛されなかった深い悲しみをずっと抱えていて、母性的な愛を与えられることに憧れている。自分は誰にも愛されるはずがないという悲観の諦めと、なぜ自分だけがこんな運命なのかという怒りが同時に内在している。

・素顔=コンプレックスに触れられそうに(至近距離に近づく、凝視されるなど)なると途端に怯む。仮面をつけていないと自信を失い、弱々しくなる。

【イメージしたい希望の香り】

楽家として秀逸な才能をもつ彼の歌声を感じたいです(聞いているとなぜかうっとりと安心して、ずっとその声に包まれていたくなるような、芯と色気がありゆったりとしています)。その声が聞こえなくなると彼が抱えた問題(愛を求めている、悲しみ)が見えてくる、そんな香りを体験したいです。

これね〜〜ほかのキャラクターから見た印象と私の第一印象とどちらで書くか難しかったです。癇癪持ちって書くか2時間くらい悩んだ(最終的にはミュージカルベースで考えたら地下のあれは負の感情からきている怒りなので癇癪とはちょっと違うかな〜と削除した)。基本的に紳士的な口調っていうのは書いたほうが良かった気がする。

 

自分はそのキャラクターのどこに重きをおいているのか、それを全く知らない人にどうやって表現して伝えるのか考える時間はとても楽しかったです。特定の演者ではなく様々な媒体が合わさったイメージを書き出したつもりでしたが、今見ると「あれあれあれーー?」という気持ちになるからふしぎ!歌声の音圧を伝えるために「エネルギッシュ」「力を感じる」って入れたほうがよかったかな…でも彼の歌声にうっとりしていく彼女が好きだから強調するならこっちだよな…というような一人押し問答を永遠と繰り返していく作業とてもたのしい。それぞれ999文字まで書けるし調香師さんも情報量が多くて困ることはないと思うからみんなも恥を晒そう!

2〜4週間で届くそうなので、そろそろかな?個人的予想だと、トップにカルダモン(スパイスの王様でピリッとした香りが自信家っぽいし、花言葉が「隠れた美点」「燃える想い」)とか、ラストノートにベチバー(地下の闇の中に消えていくので、根っこのスモーキーな感じ)とかかな〜〜と思っています。ベンゾイン(安息香とも呼ばれて、甘く心を穏やかにさせるあたり歌声っぽい)とかラベンダー(花言葉が「静寂」)きても死ねるな〜!どんな香りが届くか想像して考えている時間も楽しいです。楽しみすぎて毎日メールボックス確認してます。

歯列矯正を始めました

昔から歯並びが悪く顎に梅干しを飼っていて、中学時代に笑うときには口元を手で隠す癖を意識的につけたような人生でした。将来を悲観することはなくてもコンプレックスであることは確かで、イベントのグリーティング写真も横顔や笑ったときの口元がうつっているとダメージを受けて光の速さで画面を閉じます。

もしかしたら保険適用になる日が来るのではないかと思い続けて、やっと不妊治療の助成が増えたような世界でそんなことはあり得なさそうだと気づいたので、思い立ったが吉日、すぐにカウンセリング予約をとってポンポンと事をすすめました。引っ越し代よりも高いうん十万でも、結婚式の支払いの後だとハードルが下がる金銭感覚も矯正しないとやばいなと思っています。

今まで「歯列矯正をしたい」という気持ちのメインは審美目的だったのですが、ここ数年自分の身体のことを考えることが増えて、これからさらに歳を重ねた未来に、きちんとした噛み合わせで歯周病リスクを減らておきたいという気持ちが強くなりました。身体的な下り坂を迎える年齢なので一年でもはやく始めたほうがいいと思ったことが大きいです。

 

費用のほかにも、健康な歯を抜くことに抵抗があって二の足を踏んでいました。だってよく聞く「一本でも健康な歯を残そう」スローガンと真逆じゃないですか。非抜歯でやりたかった。あと痛いのも嫌でした。なので漠然とマウスピース矯正がいいなと思って、とりあえずインビザライン専門の矯正歯科で無料相談を受けました。

 3Dスキャンまでしてもらって、自覚以上にガタガタな歯並び(奥歯も嚙み合ってなくて驚いた)なことを認識しました。専門の矯正歯科だから無理やり契約させられるんじゃないかとビビっていたのですがまったくそんなことはなく、むしろ「インビザラインは巷で言われているほど魔法のような矯正ではないですよ」とまで言われました。ネットで言われているほど無痛ではないし、なにより私達の力で治療の進行度を左右できないんです、すべて患者さんの装着時間任せなので。ここで私の心は揺らぎました。そこまでマウスピース矯正にこだわる理由が自分にはあるのか。一日三食の食事のたびに脱着ということは一年で365日×3回でおよそ1000回。耐えられるのか。外出時の喫茶店も晩酌も制限がかかるぞ。その自信はあるのか。

うん、ワイヤーでもいいや。

別の矯正歯科にカウンセリング予約をいれている話をしたところ、「そこならインビザラインもワイヤー矯正も表裏で扱っている腕の確かな先生で、私は信頼してます。うちにするにしても、そこで相談してみてからでいいんじゃないですか」と背中を押してもらいました。自分の仕事に誇りをもっているいい矯正医さんだった。わたしの運命を変えてもらった。(余談ですが、マウスピース矯正については、ネットの体験談で「矯正終わった!」とあげられている写真は見た目がきれいでも上下の歯が嚙み合っていなかったり、マウスピースからワイヤーに切り替えている人も多かったり、メリットよりも不安のほうが大きい状態でした。)

 

後日、予定通りカウンセリングを受けました。一般歯科が併設されていて、親知らずを抜いてもらったことがあるので医院の雰囲気は知っていたので緊張はしませんでした。あらかたの説明を受け、「うーん四本抜歯をおすすめします」といつもの宣告を受け、別日に有料診断を受けました。毎回必ず顔が見える位置に来てくれたり、歯科衛生士さんとのやりとりが好印象だったので契約書にサインして、一括支払いしました。

 上下左右の四番抜歯の上下表側ワイヤーです(親知らずはすべて抜歯済み。)

それから二週連続で一本ずつ抜歯をしましたが、表面麻酔もしてくれたので全く痛くなかったです。針が刺さる感触もなかったし、液が入ってくる痛みもなく。引っ張られる感覚はさすがに怖かったけど、フルフラットの診察台で目を閉じて緊張してると、煉獄さんが「集中」って言いながらおでこトンってしてくれるんですよね。もう何も怖くない気がしてきて、そのまま深呼吸に徹しました。そしたらすぐにポンて抜けた。ありがとう煉獄さん。ありがとう歯科医さん。

どうでもいいんですけど四番って通常根っこが一本だそうですが、私の四番はきれいに二本の根があり先生が驚いてました。「歯科大学で抜いた歯を広げて何番か当てる授業があるんですけど、そこに出てきたらかなり困惑する歯ですね。「二本!?」って騒然とすると思います。きれいに抜けてよかったです」と言われて、ちょっとおもしろかったです。麻酔切れてないから口角はあがりませんでしたけど。親知らずも三根だったのでそういう身体なんだろう。

 

ワイヤー装着日は、夕方にワイヤーをつけて(上のみ)、4時間後にそこはかとなく痛みました。舌で押すとグラグラ動くのがわかって怖くなりました。シュークリームの皮は噛み切れず、よく煮たうどんは食べられました。出っ歯のせいか唇を閉じようとしてかかる圧だけでも痛かったので、啜らずにレンゲによそって食べました。

翌日の寝起きからハッキリした痛み。想像していた(親知らずを抜いたような耐え難い)痛みではありませんでしたが、我慢する理由もないのでカロナールを服用。痛み止めがあれば快適に過ごすことができました。食事はよく煮た麺類。フィナンシェは食べられるけどクッキーはつらい。3日目になると通常時の痛みはまったくなく、唇を閉じる圧も平気になりました。噛み締めても、歯が沈む感覚はしても痛みはない。7日目には沈む感覚もなくなりました。きゅうりも食べられるし、じゃがりこもいけそう。痛くなさすぎて動いているのか不安になるくらい。ブラケットのゴムはインドカレーで一発で黄ばみました。(今はブラケット固定が針金になったので着色については無双です)よく抜歯前に青ゴムをつけるとかブラケットだけつけて次回ワイヤーをつけるという話を耳にしますがそんなことはなく、ブラケットもワイヤーも一回でつきました。

 

今は下四番の抜歯中で、月末には下の歯にもワイヤーがつく予定です。また唇の裏にワイヤーが刺さる痛みに耐えるのがちょっと憂鬱です。ビタミンBサプリを飲んでいるのでいまのところ口内炎はできていませんが、痛いは痛い。でも痛みと同じくらいの喜びがあります。唇を動かさなくても前歯で蕎麦が噛み切れたとき、すごく感動しました(出っ歯なので上前歯と下唇で嚙み切っていた)。今年中にどこまでそろうのか、コロナが終息して久しぶりに会う人たちはどれだけ驚くかを考えると楽しいです。

歯列矯正は私の人生の中でたった数年の話なので、今後もちょくちょくブログに残していきたいです。がんばるぞ!矯正というよりブログ更新を。

結婚式の新型コロナ感染対策について

令和2年12月中旬に挙式披露宴を行いました。私が実施した新型コロナウイルス感染対策について記事に残します。

この記事は披露宴の開催を推奨するものではありません。感染対策の専門家でもありませんので、有効性については各自で判断をお願いします。そのうえで、これから晴れの日を迎える方々の不安を解消する参考になれば幸いです。

 

 

ゲストテーブルの人数変更

契約時には遠方親族も含めて60人超え規模で開催する予定でしたが、40人以下で開催しました。席次については6〜8人用の円卓を4人以下で使用し、なるべく生活圏が同じゲスト同士で配置しました。最大収容人数150人の会場のためテーブル同士の間隔は十分にとることができました。反省点は、直径が大きい円卓とはいえ3人席の両端が対面になってしまったことです。隣席との距離が近くなっても対面から少しずらしてもらうようハッキリと伝えるべきでした。

私はグループ付き合いの友人が少なかったため、欠席者が出ると全員が初対面の卓ができてしまったりと直前まで変更しました。今までの披露宴よりも多くの直前欠席が予想されるため、席次表作成を式場提携業者にお願いしてよかったと思います。

 

ゲストへの声掛け

招待状発送は感染拡大が落ち着いていた9月だったため、第三波の報道が増えた段階で、気になるゲストには「出席してもらいたい気持ちはあるが、そのせいでゲストが周囲に責められてしまうのは本望ではないこと」「新型コロナウイルスやその中での結婚式について、多様な価値観や考えがあることを理解していること」「大切な友人とご家族の安心を最優先にすべきと考えているので、式直前でも気軽に欠席連絡をしてほしいこと」を伝えました(招待状発送前の連絡で感染状況を気にする様子があったり、家族が医療従事者の方を重点に連絡しました)。

実際に欠席者が一人二人と増えるたびに、欠席連絡をしやすい環境をつくる重要性を感じました。連絡するたびにキャンセルが増える恐怖や「欠席になるゲストに謝らせてしまうこの選択は正しいんだろうか」という葛藤の一方で、「こんな時だからこそ結婚式を楽しみにしてる」「街の飲食店より対策してるはずだから安心だと思ってる」という声に背中を押され、前を向くこともできました。(これは私情ですが、どうか、SNSで目に入ってしまう「常識で考えればやらない」「みんな中止にしてる」「本当はみんな嫌だけどゲストは言えないだけ」などの主語の大きな言葉より、直接声をかけてくれる人のアイメッセージを大切にしてほしいと思います。)

また、直前の体調不良でも欠席しやすいよう、ゲストにスピーチや余興はお願いしませんでした。

 

受付フロアの拡充

招待客の受付フロア(ウェルカムドリンクを提供する場所)の左右に、扉で区切られた形で親族控え室がありました。両家とも両親兄弟家族のみの出席だったため、同じ控室を利用してもらい、もう一方の控室を開放することでゲストが十分なソーシャルディスタンスを取れるようにしました。

 

芳名帳の代わりにゲストカードを事前配布

受付時間短縮と筆記具からの接触感染予防のため、招待状にゲストカードを同封し、芳名帳のかわりとしました。ゲストカードに凝ったイラストを書いてきてくれた友人もいて感動しました。当日忘れる方もいるため予備の用意は必須です。

また、ゲストが触れるアイテムを減らすためメニュー表と席次表を一体のものにしました。カラードレスの色当てクイズやスタンプツリーなどは実施しませんでした。本当はやりたかった。

 

ゲストテーブル装花の変更

飛沫がつく可能性が高いものをゲストが持ち帰ることに不安があったため、テーブル中央の装花をシンプルにして、予めこちらで指定したゲストにミニブーケをプレゼントする形にしました(「店頭で〇〇円くらいのミニブーケをお願いします」と伝えましたが、実際どんなものが渡されたのか確認する時間がなかったのでしばらく不安でした)。通常の装花をスタッフが回収・消毒し小分けでお配りする案もありましたが、早い段階でゲストテーブル装花を回収するのが嫌だったのでやめました。

最終打ち合わせで変更したため花器の選択肢が少なく、非常にシンプルなサイズになりました。インパクトが欲しい場合は、大ぶりの花器やフローティングキャンドルを利用すると花が少なくても十分な装飾ができると思います。

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メインテーブルの装花については、消毒の上で小分けにし、希望者に持ち帰っていただけるようにしました(こちらは新婦の手紙が終わってからの回収だったので、早めに引き上げてもゲストはそんなに気にしないかな…と)。結果的にすべて捌けました。家族のために持ち帰っている男性ゲストもいて、選択肢のひとつとして用意してよかったと思います。

 

引き出物宅配の利用

演劇界隈で話題になったように、床に置いた手荷物が感染経路になってしまう不安があったため、引き出物はすべて宅配対応にしました。また、帰り道のトイレで手洗いをしづらくなったり、周囲に「あんな大荷物で、こんな時期に結婚式に参加したのか」と思われないようにする意味もありました。

プランナーから「当日何もないことに難色を示すゲストもいらっしゃるので、せめて引き菓子かカードタイプのカタログギフトをお配りしてはどうか」というアドバイスもありましたが、ゲストの年齢層から柔軟な思考を持っている人が多いと判断し、当日のお渡しはプチギフトのみとしました。

ペーパーアイテムやミニブーケを持ち帰る用として、プチバッグを配布しました。プランナーに「とにかく床に置くことを避けたい」と伝え、円卓の空いたスペースにバッグを置くための椅子を用意してもらいました。(このプチバッグと当日の案内カードは、引き出物宅配業者のものを使用しました。)

デメリットは、配送の段ボールに業者名が出るため、ネットで検索すると金額がはっかりわかってしまうことです。業者名を隠して検索対策をしているところもあるようですが、アダルトグッズを送るわけでもないし金額も相応のものを用意しているし、業者名が明記されていて商品保証されるほうが安心だと考えました。

メリットは、ご祝儀を送ってくださった欠席者にもすぐに内祝いを手配することができました。式後、内祝いの業者選びから始めていたら大変だったと思います。

 

マスクケースと消毒液の配布

アルコール70%以上の携帯アルコールスプレーを購入し、マスクケースとともに各席に配置しました。写真撮影でスマホを触ることも考え、自席でいつでもすぐに消毒できるほうがいいと考えました。外装された状態でお配りしましたが、実際の使用状況はテーブルによってマチマチでした(嗅覚確認用にミントの香りがしたせいもあるかもしれません)。

マスクケースは式場が用意したチャック付きポリ袋でした。「一度マスクを仕舞ったら中々付けてもらえないのでは」と不安でしたが、食事以外のマスク着用を守ってくださる方がほとんどでした。これはゲストの感染予防意識の高さのおかげですが、卓上にゆとりがあるため手の届くところにマスクを置いておきやすかったのも理由のひとつかなと思います。

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親族挨拶周りの取りやめ

通常の披露宴であれば歓談中に両家親族が一卓ずつ挨拶に伺いますが、挨拶周りを控えるようお願いしました。その代わりとして、乾杯の発声を両家父親にお願いしました。(結果的には、自ら親族席に挨拶しに行くゲストもいましたが…)

感染対策に関するお願いを中心に作成したオープニングムービーでもお酌や回し飲みはしないように呼びかけました。式場にも、積極的な瓶ビールの提供はしないでほしいと伝えていました。

 

新郎新婦のマスク着用について

今しかできない演出がしたい&人前でキスをしたくない気持ちから、誓いのキスを不織布マスク着用で行いました。そのままチャック付きポリ袋にしまった状態でメインテーブルに置いてもらいました。余興で新郎がメインテーブルを離れる時間などはマスクを着用しました。

お色直し後のテーブルラウンドはマスクを着用せず行いました。お見送り(プチギフト手渡し)は近距離の対面でゲストと会話をすることになるため、マスクを着用しました。

 

そのほか、公益社団法人日本ブライダル文化振興協会の示すガイドラインに目を通しておくとともに、陽性者が出た場合の式場や保健所との連絡手順について式場スタッフに確認すること(式場スタッフが保健所との連絡手順を把握していること)は安心の目安になると思います。

ウェディングケーキが入刀したものと別のものを提供する形になったり(式場によっては選択肢がないのに追加料金がかかるという話も…)今までの形にこだわってしまうと、できないことはたくさんありました。私は、写真や映像がマスクだらけになるのはゲストがきちんと感染対策に協力してくれている証拠で、逆に今しか見られない結婚式風景かもしれないと考えることにしました。実際に、寸前に外したマスクを片手に持ちながらの記念写真を見て、感謝しかありません。

どうかみなさんがこの時代を乗り越えられますように。

コロナはやく終われ

・地元のスナックの扉に、雑な字で「当店からコロナ感染者が出たと噂されていますが、そのような事実はありません。」と書かれた紙が貼られていた。

・自粛警察と揶揄される行為は五人組のようだし、みんながこぞって手縫いのマスクを作り始めたときはまるで戦時中の竹槍訓練か千人針のようで、「コロナに負けるな!」の言葉はその感覚を後押しした。柄モノで楽しもうという動きはモンペをオシャレに着こなそうと工夫していた女性達の姿に重なる。数十年後の学生は、歴史の教科書をめくりながら「なんて意味のないことを信じていた怖い時代なんだ」と思うだろう。わたしがそうだったように。

・高校時代、政治担当教師が「自民党政権が終わった。これは必ず教科書にのる。私達はいま、歴史の1ページにいる。」と楽しそうに話していたことを思い出す。そのときは大袈裟だと思っていたけれど、東日本大震災以降、さまざまな場面でその言葉を実感している。

 

・再開したディズニーシーのメディテレーニアンハーバーからミッキー達の挨拶を見て、本来ならミッキー達がいくら手を振っても間に合わないほどの人がここにいるはずなのに、今の彼の目にうつる風景にこんなにも人が少ないなんてと悲しくてちょっと泣いた。

推しが見ている風景の一部になりたい。「今日も客席が埋まっている」「たくさんの人が手を振っている」その群衆のひとりになりたい。「なんか差し入れが多いな」のひとつになりたい。今は、そのひとつになる場所すら無い。

 

・結婚式に向けてドレスの試着や招待状の発送やら、いよいよ尻に火をつけるための松明が用意された気分だ。式場の提案するコロナ対策だけでゲストが安心できるのか、1卓何人がいいのか、ウェルカムドリンクは?集合写真は?プチギフト手渡しは危険?どうしたらいいのかわからないことがたくさんありすぎる。

招待予定の同僚に「予定通り強行するの?」と聞かれて、やはりどれだけ対策をしても「強行」なのか、と思った。喉元に刺さる魚の骨。「結婚式でクラスター」と報道される夢はすでに見た。

外出自粛あれこれ

 外出自粛については、もともとインドアなのもあってあまり苦に感じていない(完全な在宅勤務に移行できず通勤行為が続いているのも苦に感じていない理由だと思う)。今のところリストラや収入面に関する心配もない。毎朝遅くに起きて、とりあえずリビングに移動して、ヨギボーマックスの上でだらだらスマホを弄るGWを過ごしている。買っててよかったヨギボーマックス。実家を出ることに不安しかなかったときに、すこしでも楽しみを作ろうと奮発して購入した憧れのヨギボーマックス。外出自粛が始まってから、快適な時間をくれている。

 夫とここまで長く一緒にいることはこの先もあまりないだろうし、料理は夫がしてくれるし(飲酒する日はつまみも作ってくれるので体重増加が止まらない)、掃除はルンバが走ってくれるので、私がすることといえば洗濯やゴミ捨て、皿洗いくらいだ。

 ここまで恵まれた環境にいても、世間の雰囲気とか、そういったものがしんどくなってきた。

 今日は何人死亡だとか、こんなに人望のあった人がコロナを理由に自殺しましたとか(同じ自死でも人望の有無で扱いが変わる恐怖)、それに関して「一方で生きたくても生きられない人もいるのに」という議論だとか(自殺者は死にたくて死んだんだろうか?)、ここまで「死」に関する情報を見聞きするのって東日本大震災以来じゃないだろうか。よりショッキングなことばかりが繰り返し取り上げられる。わたしは見知らぬ人の死に触れるたびにじりじりと消耗していくのを感じる。なにを知ったところで今の私たちにできることは、手洗いうがいをし、三密を避け、ソーシャルディスタンスをとり外出自粛をする、ただそれだけなのに。テレビでニュースよりもYoutubeを見る時間のほうが多くなった。一次ソースとなる記者会見だけは見ている。

 「外出自粛要請後も人出は減少せず」「感染者は依然増加」という見出しに、「多くの人が耐えようとしているところに、やる気を削ぐような報道をしなくてもいいのに。自粛効果のあがっているところを報道してくれたほうがやる気になるよなぁ」と思って、でもそれって都合のいい言葉ばかり並べて士気をあげていた戦中と同じ思考じゃないかと気づいて自分自身にヒヤッとした。

 毎日、いろんなものに対する厳しい批判ツイートを目にする。何かを批判することは一番簡単で「なにかをした気になれる」ことだし、今は人の考えを咀嚼するエネルギーもないので見流すようにしている。skyというスマホゲームが面白いおかげで、ツイッターを開く時間も少し減った。

 GWに入ってから生産的なことをなにもしていないと気づいて、なにかアウトプットしなければという焦る気持ちで記事投稿ページを開いた。

 明日は一年以上つけたままのカーテンを洗おうと、部屋中のレースカーテンを外して洗濯ネットに詰め込んだ。そして今、明日は気温が下がって雨の一日になりますと天気予報士が伝えている。カーテンを外している段階で一抹の不安はあったんだけど、こういうとこなんだよなぁ。